ほぼ毎年のように実施している海外研修旅行、普段は私が一人で生徒のサポートにつくのだけど、今回は大学院の後輩で職場の同僚でもある星原君が参加することになった。彼はオブザーバーなのだが、参加するからにはぜひともその責任は共有していただきたい。そんなわけで生徒と計画を立てる前に、『どのような旅程であれば最悪のときに対応できるか』について考えた。
これは実は非常に難しい問題で、例えばベトナムのホーチミンからシンガポールまで陸路で移動しようとすれば、最短でも5日はかかる。一週間の旅程で空路を使わずにそのような旅程を立ててしまった場合は最悪帰れなくなるという事態に発展してしまう。そのような事態にならないようにするために、私たちはアジア修行の出発地点とゴール地点を綿密に計画する。また、このとき滞在する国によっては難易度が劇的に変わってしまうと言う問題もある。
基本的には私たちは東南アジアでは自転車での都市間移動をする前提で計画を立てる。今回が3回目のとなる東南アジア行きについても同様の方向で行くつもりだ。ただし、過去2回とも、無事に計画したルートを自転車のみで走破した例はかつて存在しない。
話が戻るが、この『国によって難易度が変わる』というのは東南アジアを旅したことのある人ならばご存知であろう。例えばベトナム・カンボジア・タイ・マレーシア・シンガポールと見たときに、自転車で移動する上で最も簡単なのはベトナムのホーチミンとカンボジアのプノンペン間の移動である。それもカンボジアから出発するほうが劇的に難易度が下がる。理由は簡単で、この2国は基本的に米ドルが通用するからだ。プノンペンやホーチミンでは日本円の両替レートもそれほど悪くはないが、とりあえず米ドルさえ持っていれば、カンボジアではどんなに田舎に行っても基本的には支払いに応じてくれるからである。ベトナムではホテルは基本的に米ドルだが、小さな商店やレストランなどではベトナム・ドンしか通用しない場合も多い。また、プノンペンでは中古の自転車も豊富に取り扱っており、値段も安価である。よって、私たちの旅行のスタイルであればカンボジアから入国するのが最も難易度が低いと言えるだろう。しかし、問題は予算だけではなく生徒たちの能力と情報収集能力にもある。カンボジアは行ったことのある人間にとってみれば非常に低難易度のように思えるが、何の準備もせずにカンボジアの空港に降り立ってしまった場合はまともな移動手段が存在しないという状態に陥ってしまう。しかし海外でバックパッカーをした経験の少ない星原君は結局生徒と同列扱いで計画を立てるほうに回ることになった。
最悪、ホーチミンからのジェットスターの場合は乗り遅れたら変更がきかない。
成田→(ベトナム航空)→ホーチミン→(ジェットスター)→シンガポール→(デルタ航空)→成田
の旅程を
成田→(ベトナム航空)→ホーチミン→(ベトナム航空)→成田
へと変更することで帰りの便は何とかなりそうだ。
現地での予算はシンガポールでの滞在を除いて30000円程度に設定する。
旅程は
1日目 成田→ホーチミン
6日目 ホーチミン→シンガポール
8日目 シンガポール→成田
である。
そんな私の考えを知ってか知らずか、自転車でどこを走るかで盛り上がる3人。まずやらなければならないことは他にあるような気もするが、ここは生徒の自主性を最大限に尊重してあえてノーコメント。今回も楽しめそうだ。
そこを通りがかったタツノリ。彼は2009年度の海外修行に参加した生徒だ。夏休みに入る直前に髪の色を染めてしまっている。ちなみに修行直後の英語の実力テストで学年一位をとったらしい。『自分の必要だと思う能力を磨いたら、それが結果として出ただけです』とかわいらしくないことを言うタツノリ。ここであまりアドバイスを与えられてしまうと私の楽しみが減ってしまう。こっそり耳打ちしてぎりぎりのアドバイスに留めてもらうことにした。
そして最後に現在は私の同僚となっている鈴木光(スズキサカエ)先生もアドバイスをくれるようだ。彼は中学生の頃から私の元でヨーロッパ・アメリカ・アジアと修行を続けてきた人間で、私の次に豊富な経験値を持つ。
「ホーチミン行くならシン・カフェに行け」
って、いきなり答えじゃないか!!
タツノリよりもタチが悪かった。
何はともあれ、それなりのアドバイスを得たユウとマサシはそれなりの準備をし、想像を絶する過酷な旅に出るのだった。
地図とにらめっこする星原君 |
基本的には私たちは東南アジアでは自転車での都市間移動をする前提で計画を立てる。今回が3回目のとなる東南アジア行きについても同様の方向で行くつもりだ。ただし、過去2回とも、無事に計画したルートを自転車のみで走破した例はかつて存在しない。
話が戻るが、この『国によって難易度が変わる』というのは東南アジアを旅したことのある人ならばご存知であろう。例えばベトナム・カンボジア・タイ・マレーシア・シンガポールと見たときに、自転車で移動する上で最も簡単なのはベトナムのホーチミンとカンボジアのプノンペン間の移動である。それもカンボジアから出発するほうが劇的に難易度が下がる。理由は簡単で、この2国は基本的に米ドルが通用するからだ。プノンペンやホーチミンでは日本円の両替レートもそれほど悪くはないが、とりあえず米ドルさえ持っていれば、カンボジアではどんなに田舎に行っても基本的には支払いに応じてくれるからである。ベトナムではホテルは基本的に米ドルだが、小さな商店やレストランなどではベトナム・ドンしか通用しない場合も多い。また、プノンペンでは中古の自転車も豊富に取り扱っており、値段も安価である。よって、私たちの旅行のスタイルであればカンボジアから入国するのが最も難易度が低いと言えるだろう。しかし、問題は予算だけではなく生徒たちの能力と情報収集能力にもある。カンボジアは行ったことのある人間にとってみれば非常に低難易度のように思えるが、何の準備もせずにカンボジアの空港に降り立ってしまった場合はまともな移動手段が存在しないという状態に陥ってしまう。しかし海外でバックパッカーをした経験の少ない星原君は結局生徒と同列扱いで計画を立てるほうに回ることになった。
ユウ・マサシと計画を立てる星原君
結局、オープンチケットのように使える特典航空券で旅程を組むことにした。なぜならば、通常の格安航空券を使用した場合、帰りの飛行機に乗り遅れた場合が大変だからだ。ベトナム航空で成田からホーチミンに入り、帰りはデルタ航空でシンガポールから成田に向かうオープンジョーだ。マイルは購入してチケットに充てた。また、ホーチミンからシンガポールまでは陸路ではなくジェットスターのチケットを購入した。値段は大体5000円くらい。最悪、ホーチミンからのジェットスターの場合は乗り遅れたら変更がきかない。
成田→(ベトナム航空)→ホーチミン→(ジェットスター)→シンガポール→(デルタ航空)→成田
の旅程を
成田→(ベトナム航空)→ホーチミン→(ベトナム航空)→成田
へと変更することで帰りの便は何とかなりそうだ。
現地での予算はシンガポールでの滞在を除いて30000円程度に設定する。
旅程は
1日目 成田→ホーチミン
6日目 ホーチミン→シンガポール
8日目 シンガポール→成田
である。
そんな私の考えを知ってか知らずか、自転車でどこを走るかで盛り上がる3人。まずやらなければならないことは他にあるような気もするが、ここは生徒の自主性を最大限に尊重してあえてノーコメント。今回も楽しめそうだ。
そこを通りがかったタツノリ。彼は2009年度の海外修行に参加した生徒だ。夏休みに入る直前に髪の色を染めてしまっている。ちなみに修行直後の英語の実力テストで学年一位をとったらしい。『自分の必要だと思う能力を磨いたら、それが結果として出ただけです』とかわいらしくないことを言うタツノリ。ここであまりアドバイスを与えられてしまうと私の楽しみが減ってしまう。こっそり耳打ちしてぎりぎりのアドバイスに留めてもらうことにした。
そして最後に現在は私の同僚となっている鈴木光(スズキサカエ)先生もアドバイスをくれるようだ。彼は中学生の頃から私の元でヨーロッパ・アメリカ・アジアと修行を続けてきた人間で、私の次に豊富な経験値を持つ。
「ホーチミン行くならシン・カフェに行け」
って、いきなり答えじゃないか!!
タツノリよりもタチが悪かった。
何はともあれ、それなりのアドバイスを得たユウとマサシはそれなりの準備をし、想像を絶する過酷な旅に出るのだった。
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